菓子製造業許可の取得条件

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菓子製造許可とは

菓子製造業許可とは食品衛生法に基づいて取得する許可の一つで、主にパティシエなど菓子を製造する事業者が係わる許可です。食品の安全性や衛生基準に関する規定をクリアしているかどうかが問われるもので、菓子の製造業者はこれらの規制に適合する必要があります。

この許可を取得するためには、地方の保健衛生所や厚生労働省などの機関に施設の設備や衛生管理がどうなっているか、製造プロセスの詳細などを提出する必要があります。

審査をクリアして許可が下りた後でも、定期的に保健衛生所や厚生労働省からの監査を受けることがあるため、継続的に問題のない環境を維持しなければなりません。

なお、この許可を取得せず営業を行って菓子類の提供をすることは、違法として扱われます。消費者が安心して製品を購入するための重要な許可ですので、製菓業を営むのであれば必ず取得をしましょう。

食品衛生責任者

菓子製造業許可を取得するうえで欠かせないのが「食品衛生責任者」の存在です。施設ごとに擁立する必要があり、責任者となった存在は定期的な講習会への参加が求められます。

どんな人が食品衛生責任者になれるかというと、まず栄養士・調理師などの資格を取得しているかどうかで判断されます。

菓子関連でいえば、製菓衛生士の資格を取得している場合でも食品衛生責任者になれますので、この資格を既に持っているのであれば食品衛生協会などに申請して資格の発行をしてもらいましょう。

栄養士や調理師、製菓衛生士といった資格を持っていない場合、食品衛生責任者になるための講習会などに参加することで資格を取得することができます。ただし、参加して終了というわけではなく、講習会で学んだことを確認する試験に合格してからの取得となりますので注意が必要です。

共通基準と特定基準

菓子製造業許可を取得するためには、すべての飲食施設に必要な共通基準と、菓子製造業のみに求められる特定基準を該当施設が満たす必要があります。

共通基準

共通基準は、床や内壁に耐水性材料が採用され排水がよく清掃しやすい構造であること、従業者専用の手を洗う設備や消毒装置が置かれていること、換気扇の設置がされていることといった、建物による基準がまずあります。

その次に、食品や器具を衛生的に保管できる場所があるかどうか、移動しづらい器具は清掃や洗浄しやすい位置に配置されているか、作業場専用の清掃用品とそれを収納する場所があるかどうかなどが基準として問われます。

特定基準

菓子製造業許可における特定基準は、東京都の場合、まず施設及び区画について製造やはっ酵、加工や包装をする場所、製品を置く場所などの設備を設けること、そしてその作業区分に応じてしっかり区画をすることが求められます。

次に機械や器具については、製造量にあわせた数や能力を持った混合器や焙焼機、成型機などの機械・器具を設けること、そして必要な際はきちんと冷蔵設備を用意することが求められます。

まとめ

菓子製造業許可は、安全にお菓子を製造して販売するうえで欠かせない許可になります。この許可を取得しない状態で営業を行うと、食品衛生法違反として問われ、罰金が科せられるほか営業停止等が命じられる場合があります。

取得するためには、食品衛生責任者の擁立と共通基準、特定基準を満たす設備が必要になります。

食品衛生責任者は栄養士や調理師、製菓衛生士といった資格を持っていればすぐに取得できる資格ですし、講習会に参加し試験に合格することで取得することも可能です。

ただし、基準を満たした設備は一朝一夕に用意できるものではないでしょう。消費者が安心して購入できる菓子の製造を行うためにも、時間をかけて基準をしっかり満たせる設備の用意を行うことが重要です。

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